日本で指紋押捺制度が再実施されていることを知っていますか? そして、15年前に廃止された指紋押捺制度に関して、どんな意識を抱いていましたか? 情報が氾濫する現代において、目に止めなければ気付かない、 当事者になりえないから気付かない問題が見過ごされている現状があります。 しかし、そのことを理由にして見過ごしてよい問題などありません。実在する問題に対してあなたなら何ができますか?
指紋押捺制度とは、テロ未然防止のために改正出入国管理・難民認定法施行によって、 日本に在住したり入国したりする外国籍の人に、 原則として昨年11月20日から指紋や顔写真などの生体情報の提供を義務付けるものです。 入国管理局が指紋などの情報を、国際指名手配犯や過去に不法滞在などで強制退去となった外国人らのブラックリストと照合し、 テロや外国人犯罪を未然に防止できるという国防のために、この制度を国が採用したのです。この制度に問題はあるのでしょうか? あるとしたら、どこに問題があるのでしょうか?
当事者である外国人の立場に立ってみると、この制度は外国人に対する差別と言えるのかもしれません。 外国人は日本人ではないというだけで、テロリスト・犯罪者の可能性を強く疑われています。 また、人権とは「人間に当然与えられるとされる権利。生命を保障され、自由・名誉などを享受する権利」のことを言い、 「指紋をみだりに採られない自由」が存在したとすると、外国人の人権を侵害しているといえないでしょうか?
この状況で、あなたは外国人の人権と国防のどちらが優先されるべきと考えますか?
このテーブルでは、まず憲法上外国人に基本的人権が保障されるかどうかを学び、 次に指紋押捺制度の内容や変遷を、判例などと共に詳しく理解していきます。 そして、外国人の人権と国際情勢から必要性の高まっている国防という二つの対立する利益のバランスをいかにとるかを、 比較衡量という手段を用いながら、ディスカッション・ディベートを通して話し合いたいと考えています。
これから様々な社会問題に遭遇し、それらを取り扱う機会は否応無しにやってくることでしょう。 そこでは多角的な視点を持ち、いかなる手段を使用すれば解決できるのか分析・判断することが試されます。 このテーブルを通して、外国人の人権に対する理解を深めると同時に、 その手段の一つである比較衡量についてみなさんとともに学んでいきたいと考えています。


